札幌近郊の運送会社へ労基署調査が増加


最近、労働基準監督署の調査が
私の顧問先も含めて
札幌市内及び札幌市周辺の運送会社へ
続いています。
労基署の調査や報告次第では
運輸支局の監査につながることは
言うまでもありません。

大手運送会社の残業代問題
の影響もあるかもしれませんが
ここ何年もの間
長時間労働問題への対策として
運送業が重点業種になっている
ことは間違いでしょう。

労基署の調査で運送会社が
是正勧告を受けるのは
①1ヵ月の拘束時間が293時間を超えていること
②1日の拘束時間が16時間を超えていること
③運転時間が2日を平均して9時間を超えていて
2週間を平均して1週当たり44時間を超えていること
④割増賃金について不足があること
⑤36協定の限度を超えて残業させていること
⑥雇用契約書、賃金台帳等に不備があること
⑦長時間労働者に対して面接指導等行っていないこと
などです。

単純に書類や社内の整備で済むこともあれば
そう簡単には済まないこともあります。
一番の問題は、言うまでもなく
ドライバーの勤務時間です。

ドライバーの勤務時間は
運転日報やデジタコの記録で
管理するのが一般的です。
ここが問題になりやすいのです。
運転日報やデジタコの記録は
ドライバーが提出したら
そのままになっていないでしょうか?
「このドライバーは記入ミスが多い」
「このドライバーはデジタコで操作ミスが多い」
「このドライバーはいつも押し忘れするんだ」
「そこは車動いていないから休憩だと思うだけど」
「そのルートは荷待ち時間だと思う」
と言っても、 もちろん労基署には通じません。
それがわかるように
運転日報やデジタコの記録がそうなっていなければなりません。
ドライバーが提出した状態で
完璧な運転日報やデジタコの記録は、そうはないはずです。
運転日報やデジタコの記録の管理から
運送会社の労基署対策は始めるべきです。

荷待ち時間等の乗務記録改正を受けて②


7/1から貨物自動車運送事業運輸安全規則の一部が改正され
乗務記録に荷待ち時間等を新たに追加することになりました。

この改正を受けて、私もいろいろな質問を受けています。
勘違いしやすい部分や実務方法を解説します。

実際に荷待ち時間等をどのように記録するか解説します。
記録する内容は
①集荷地点(○○スーパー ○○店)
②荷主指定の到着時刻(○:○○)
③実際の到着時刻(○:○○)
④荷積み・荷降ろしの開始・終了時刻(○:○○~○:○○)
⑤附帯業務の開始・終了時刻(○:○○~○:○○)
⑥集荷地点を出発した時刻(○:○○)
になります。

記録は、運転日報でも運行記録計でもよいことになっています。
今回義務化された車両は
車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上になりますので
運行記録計がすでに義務付けられていますので

運行記録計への記載がドライバーの負担は少ないでしょう。
デジタコであれば、自動的に記録されますので
これを機にデジタコの押し忘れ、操作間違いは直したいところです。
チャート紙であれば、実際にチャート紙に手書きで記入で問題ありません。

全日本トラック協会から
荷待ち時間記録票の見本も例示されています。

http://www.jta.or.jp/kotsuanzen/anzen/info/anzen_kisoku_kaisei201706.html

荷待ち時間等の乗務記録改正を受けて①


7/1から貨物自動車運送事業運輸安全規則の一部が改正され
乗務記録に荷待ち時間等を新たに追加することになりました。

この改正を受けて、私もいろいろな質問を受けています。
勘違いしやすい部分や実務方法を解説します。

まず、全部の荷待ち時間を記録する必要はありません。
下記のすべてを満たした荷待ち時間が記録義務の対象になります。
①車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上
②30分以上の待機時間
③荷主の都合による待機

特に30分以上の待機時間だけが対象になるのは勘違いしやすいところです。

ご質問が多いのは③の荷主都合かどうかの判断です。
現場のドライバーが判断しにくいケースについては
事前にドライバーと話し合っておくべきでしょう。
荷主から到着時間の指定はあるのか
指定時間より早く着いた場合、遅く着いた場合の対処方法
荷主先との荷積み・荷降ろし方法
荷待ち時間についての事前の説明
などについては
少なくとも現場のドライバーと共有しておくべきです。

7/1施行! 荷待ち時間等が乗務記録の対象に


7/1から貨物自動車運送事業運輸安全規則の一部が改正され
 荷主都合により待機した場合
乗務記録に 集荷・配送地点を新たに追加しなければなりません。

現在の輸送安全規則では
一般・特定貨物自動車運送事業者は、運転者の乗務記録について
休憩・睡眠をした場合の地点や日時などを記録するように定めていますが
今回の改正では、荷主都合により待機した場合
乗務記録に

①集荷地点
②集荷地点等への到着日時
③集荷地点等での荷積・荷卸の開始と終了日時
④集荷地点等を出発日時
を追加する
とされています。

ただし、追加の対象となるのは
車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の車両への乗務に限られます。

今回の改正は
荷待ち時間の実態把握や過労運転防止をねらいとし
荷待ち時間を生じさせている荷主への勧告などの発動にも活用するとのことです。

運送会社としては、今回の改正により
これまで以上に乗務記録の確認と管理が求められます。
ドライバーと会社、共に負担としては当然増えますが
荷待ち時間を正確に把握することにより
さらなる配送の効率化や時短、荷主への運賃交渉の材料にも
利用したいところです。

【改正概要】
(1)乗務等の記録(第8条関係)
トラックドライバーが
車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上のトラックに乗務した場合
ドライバー毎に、
・集貨又は配達を行った地点(以下「集貨地点等」という。)
・集貨地点等に到着した日時
・集貨地点等における荷積み又は荷卸しの開始及び終了の日時
等について記録し、1年間保存しなければならない
(2)適正な取引の確保(第9条の4関係)
荷主の都合による集荷地点等における待機についても
トラックドライバーの過労運転につながるおそれがあることから
輸送の安全を阻害する行為の一例として加える

道内でのサントリーと日清食品の共同配送


サントリーホールディングスと日清食品は
道央圏から帯広地区への商品配送の一部を
共同で行うことを発表しています。

両社間の共同配送は全国初の試みで
業界の垣根を越えた珍しい連携になります。
共同配送により
対象となる1日平均11台の大型トラックのうち
3台程度を削減できるとのことです。

1日3台程度の削減には驚きました。
単純計算で、3人のドライバーを他の担当に回すことが
できるとなると大きな影響です。
もちろん、その分の担当者の積込時間が増えて
長時間労働の問題は残りますが。

それでも、道内のドライバー不足は深刻で
顧問先でも、仕事はあってもドライバーがいないので
仕事を受けれないという話は今や常識です。
共同配送が進むことは、道内の中小運送会社にとっても
メリットがあるのではないでしょうか。

先日、ある顧問先の社長さんが
「最近は、仕事も会社の状況や効率を考えて
他の運送会社に回したり、回ってくるケース
が昔よりも圧倒的に増えてるよ」
とおっしゃっていました。
中間マージンを取らないケースもあるそうです。
今後は、共同配送と一緒に
運送会社同時の連携も今後進むのかもしれません。

ヤマト運輸の送料値上げを受けて


先日、ヤマト運輸による送料値上げ
のニュースがありました。

連日、宅配現場の厳しい現状が明らか
になっている中でのこのニュースに
多くの方がしょうがない
と思われたのではないでしょうか。

運送会社にとって、荷主との運賃交渉は非常に難しく
満足な結果を得ている運送会社は少ないと思います。
しかし、その状況も少し変ってきたと感じています。
深刻なドライバー不足、長時間労働への規制などが
広く一般化してきまして、微風かもしれませんが(笑)
運送会社への追い風になっています。
まさに、今回のヤマト運輸の値上げと同じ流れが
少しずつできつつあると思います。

今まで、荷主に
「ドライバーがいなくて人件費が上がっている」
「長時間が問題になっていて」
と言っても
「それはお宅の問題でしょ」
「文句があるなら他にも運送会社があるから」
との言葉に
けんもほろろということもあったかと思います。

しかし
長年続いている運賃を上げるのは難しいのが現実です。
手ぶらでの運賃交渉は上手くいく可能性は低いです。
今回のヤマト運輸では
実際にどれだけ長時間労働になっているのか
過酷な現場も明らかになっています。
中小の運送会社では、ヤマト運輸のように
長時間労働や過酷な現場が明るみに出ることは
当然ありません。
人件費が上がっているなら
前年比でいくら実際に上がっているのか
長時間労働があるなら
実際にどのドライバーにどれだけの長時間あるのか
運賃交渉のための資料作りも
今まで以上に効果があると言えるのではないでしょうか。

言うまでもなく
運送会社にとって運賃交渉は
ドライバーに給与を払うための責務です。
今回のヤマト運輸という業界大手に続きたいものです。

ドライバーの残業上限規制導入について


政府は働き方改革実現会議を開き
罰則付き時間外労働の上限規制導入
などを盛り込んだ
「働き方改革実行計画」決定しています。

注目は
現行で時間外労働の上限規制の適用除外となっている
ドライバーが適用対象となるかどうかです。

会議の中で
「罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず
改正法の一般則の施行期日の5年後に
年960時間(=月平均80時間)以内の
規制を適用することとし、かつ将来的には
一般則の適用を目指す旨の規定を設けることとする」
としています。

一般の適用から5年の猶予はあるとはいえ
運送業にとっては、非常に大きな改正となります。
業務の繁閑に応じて上限を変更できる
特例は設定されると予測できますが
現状の運行管理ではどうにもならないケースも
出てくることでしょう。
道内ではドライバー不足が深刻な中
残業の上限規制が始まれば追い打ちをかけることになります。

準中型運転免許の費用一部補助 全ト協


全日本トラック協会は
若年ドライバーの確保を目的に
指定自動車教習所などでかかる費用
の一部を助成を公表しています。

内容としては
準中型免許の取得(助成上限4万円)と
5トン限定準中型免許の限定解除(同2万5千円)
が対象となります。
一事業所当たりの助成額上限は10万円。
2017年3月12日から2018年3月31日の間に
免許を取得した場合が対象となりますが
予算額に達した場合受付終了となります。

道内のほとんどの運送業では
若いドライバーの採用に苦戦しています。
これから準中型免許を取得する方の
採用も検討してみてください。

「準中型自動車」免許制度が新設されます


平成29年3月12日から
「準中型自動車」免許制度が新設されます。

現行の中型自動車(車両総重量5トン以上11トン未満)は
20歳以上・普免保有2年以上が免許受験の条件がありましたが
新制度の準中型トラックは
18歳以上であれば普通免許の経験がなくても取得できます。

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ポイントは
「初めて免許を取る人でも最初から準中型免許を取得できる」
ことでしょう。
最初に免許を取るときに、普通か準中型かを選べることになります。
今までは普通免許を取ってから2年経ち中型免許を取らないと
大きなトラックを運転することができなかっのが
「2年待ち」がなくなるというのは
少なくともトラック運送会社にとっては朗報といえます。

しかし、道内中小のトラック運送会社で
高校新卒者を採用したくても
採用できている会社は少ないかもしれません。

先日、私が顧問先のトラック運送会社の社長さんと話したときのことです。
20代前半の若いドライバーを最近面接した話になりました。
今の若者らしく、休日やシフトのこと、給与や賞与のことを逆に質問されたそうです。
その中でも、基本給が上がらない(基本的に一律)であることに
明らかに難色を示したそうです。
「ウチは、無事故であれば無事故手当もあるし、
家族が増えれば扶養手当もあるし、住宅手当もある」
という話には一切、耳を傾けない様子で
その後すぐに向こうから入社しない連絡があったそうです。

確かに、道内の40代や50代のトラックドライバーは
手取りでいくらもらえるか、
地域の他のドライバーの相場ぐらいもらえるか
というのを重視しているかもしれません。
しかし、今の若者はやはり違うというの
改めて痛感した話です。

今回の「準中型自動車」免許制度の新設で
確かに高校新卒者を即戦力として
採用すること自体は可能になりましたが
実際に採用できるか、採用しても長続きできるかは別問題です。
若者を受け入れる
これからのトラック運送会社の体制も必要です。
その一つは、若者が期待できる
働きたいと思える給与制度でしょう。

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