コラム

標準的な運賃の告示 国土交通省

国土交通省は4月24日、トラック運送業の「標準的な運賃」を告示しています。
「標準的な運賃」は、トラックドライバーに年間960時間の罰則付き
時間外労働の上限規制が適用される2023年度末までの時限措置との位置づけです。

貸切(チャーター)を想定し、距離制と時間制の2パターンを用意。
地域差を踏まえ、地方運輸局ブロックごとに策定。
距離制では小型車(2t)・中型車(4t)・大型車(10t)・トレーラ(20t)の車種別に設定。
時間制運賃表は「8時間制」と「4時間制」に大別しています。

運賃以外の各種料金については運賃表とは別に規定。
冷凍・冷蔵車や休日運行、早朝・深夜運行は2割増。
待機時間料は30分を超える場合に30分単位で車種別に設定。
積み込み・取り降ろし・附帯業務などの料金は運賃とは別に収受、
高速道路料金、フェリー料金は実費を収受としています。
燃料サーチャージも別途定めています。

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法令を遵守して持続的に事業を運営する際の参考となる運賃を示すことにより
トラック運送業での取引の適正化・労働条件の改善を促進することを目的としています。
上限・下限の幅は設けず統一的な運賃を設定しているので
どこまで実効性があるのかは運送会社次第です。
従来のタリフのように、有名無実化する可能性もあるかもしれません。

運送会社の時間外労働の上限規制の遵守は
「働き方改革=運び方改革=業務の効率化」によって始めて達成することができます。
業務の効率化を進めれば、売上の減少や人件費の増加につながることも多々あります。
荷主・元請との業務効率化の交渉と同時に、「標準的な運賃」をもとに運賃交渉を進め
2023年度末の時限措置の間に、有効活用したいものです。

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