定年再雇用者への対応を上手くできていますか
ここ数年、若い人を採用できず
社員の高齢化に悩んでいる会社は多いかと思います。
人材不足が深刻な中で
技術と経験を持つベテランは重要な人材なはずです。
ベテランにどのように対応していくかは、実は難しい問題です。
会社にとっても、業種や職種により考え方は違います。
社員にとっても、考え方や健康状態、家庭環境も違います。
私は、中小企業では特に
ベテランを定年という枠組みで扱う時代は終わり
それぞれ個別対応する時代になったと考えています。
理由の一つ目は、雇用保険法の改正です。
来年1月から、65歳以上でも雇用保険に加入できるようになり
当然、失業等給付(高年齢求職者給付金)の対象になります。
理由の二つ目は、長澤運輸事件の影響です。
この事件では、定年再雇用後、仕事内容は同じなのに
賃金を減らされるのは違法がどうか争われています。
現時点では、地裁判決では違法、高裁判決では合法
となっています。
今後は、60歳はもちろん、65歳も超えて
これまでと同じように働く環境が整いつつある といえると思います。
60歳や65歳は高齢者とは、今やいえません。
私はベテランや熟練者とあえて読んでいます。
しかし、会社としては、人件費や給与制度、
社員の健康や安全など悩む問題は多いはずです。
会社としてのベテラン雇用への対策は3つです。
①モチベーション管理
②健康管理対策
③安全管理対策
なんといっても重要なのは
モチベーション管理でしょう。
「ベテランがこれからの働き方を考える」
「会社がベテランに望む働き方を伝える」
その上で働き方を選択することが大切です。
もちろん、運送業など
健康管理対策や安全管理対策が
重要度を増す業種もあります。
3つの対策に共通するポイントは「個別対応」です。
定年再雇用、60歳、65歳という一律的に扱うのではなく
各ベテラン個人に目を向け、意見を聞き、個別に決定していく
ことが、これからのベテラン活用術になるでしょう。