コラム

令和3年度「トラック運送業界における点検整備推進運動」の実施について

国土交通省は、全日本トラック協会を通じて、
トラック運送業界における点検整備推進運動の実施について
次のとおり周知しています。

トラックによる交通事故は重大事故に繋がることが多く、
特に大型トラックでは、重大事故につながりかねない車輪脱落事故が多発しており、
車輪脱落事故や不具合等による事故防止をはじめ、
環境面においても排出ガスによる大気汚染や地球温暖化問題への対応が求められています。

さらに、日常点検、定期点検などによる点検・整備の実施が義務付けられているものの、
その実施状況は必ずしも十分とは言えず、
また、平成30年10月1日には車両総重量8トン以上のトラックのスペアタイヤ等が
新たに3ヶ月毎の定期点検項目に追加されるなど、
不正改造の防止とともに、確実な点検整備の実施を徹底して行く必要があります。

また、近年、大型トラック(車両総重量8トン以上)の車輪脱落事故が急増しており、
ホイール・ナットの緩みの点検の確実な実施が必要です。

1.実施期間
本運動は1年を通じて実施するものですが、
令和3年9月1日(水)から令和3年9月30日(木)までの1ヶ月間を
全国統一の「自動車点検整備推進運動強化月間」とし、
これに加 え、地域事情に応じて各都道府県トラック協会が
独自に設定する1ヶ月間を「地方独自 強化月間」として実施。

2.重点実施項目
(1)「大型自動車に関する適切な点検・整備の実施方法についての啓発」
①法定点検項目のうち、以下に掲げる点検項目を重点点検項目とする。

(重点点検項目) 

点検箇所 3ヶ月点検 12ヶ月点検
原動機 燃料装置 燃料漏れ 同左
電気装置 電気配線 接続部の緩み及び損傷 同左
制動装置 ホース及びパイプ 漏れ、損傷及び取付状態 同左
ブレーキ・チャンバ ロッドのストローク 同左、機能

②貨物運送事業者が保有する全ての大型貨物自動車について、
重点点検期間中(9月1日~11月30日)、法定点検時期の有無に係わらずに一回以上、
ホイール・ナットの緩みの重点点検を実施する。
なお、冬用タイヤへの交換後1ヶ月以内に車輪が脱落している傾向があることから、
重点点検期間中に冬用タイヤへの交換を予定してる場合には、
冬用タイヤ交換後に点検することが望ましい。

(2)「黒煙濃度に影響を及ぼす部品等の自主点検・整備の実施に関する啓発」
黒煙濃度の悪化に大きな影響を与えるエア・クリーナ・エレメント、燃料フィルタ、
燃料噴射ポンプ等の点検・整備の自主的な実施

(3)「DPF(黒煙除去フィルタ)等の後処理装置付き車の正しい使用方法に関する啓発」
確実な定期点検の実施、DPFに堆積したアッシュ(灰分)の定期的な点検・清掃、
低硫黄軽油(S10)の使用、 メーカー指定のエンジンオイルの使用等、DPF装着車両の正しい使用

トラック運送業特化社労士 名古屋 清隆[北海道(札幌市)を中心に活動]

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