コラム

ドライバーの兼業・副業管理のポイント

最近、ドライバーの兼業・副業に関するご相談をよく受けます。
国が掲げる「働き方改革」の一つとして、兼業・副業が後押しされる部分
兼業・副業を規定したモデル就業規則の改定の影響もあるでしょう。

それよりも運送会社の大きな要因は
労働時間短縮への動きです。
運送会社で、労働時間短縮への取り組みとしては
ドライバー毎の運行回数を減らす
中・長距離輸送と近距離輸送を組み合わせる
荷待ち時間や待機時間の削減といった
運行管理の改善が主かと思います。
結果として、ドライバーの勤務時間は減りますが収入も減り
その分を兼業・副業で補おうというドライバーは増えています。

これまで、運送業界に限らず、正社員の兼業・副業は基本的に認めず
会社から特別に許可を得た場合にのみ認められるというのが一般的でした。
しかし、労働基準法などの法律で、兼業・副業が禁止されているわけではありません。
就業規則等の会社のルールや暗黙の了解として
兼業・副業が禁止されているというのが実情です。

これから、間違いなく兼業・副業は増えるでしょう。
しかし、運送会社でドライバーの兼業・副業を認めたり
兼業・副業のドライバーを雇うにあたっては
注意が必要ですので、管理のポイントを解説します。

【ドライバーの兼業・副業管理のポイント】
①兼業・副業時間を把握する
会社が違っても、労働時間は通算されます。
つまり、自社で7時間、その日に副業2時間行えば、1時間は割増賃金の対象となり得ます。
例えば、副業を早朝に行い、その後自社で働くようなケースであれば
自社先に割増賃金の支払義務が生じます。
拘束時間・休息期間・運転時間も同様の考え方になります。

②兼業・副業は許可制にする
兼業・副業の目的が、他社への転職のための足がかりや
他社の待遇を調べるためというケースが考えられます。
このケースで注意しなければいけないのが情報漏えいのリスクです。
自社の情報が漏えいするだけではなく
他社の情報が自社のドライバー内に拡がるようなリスクにも注意しなければなりません。
そのためには、許可制などの会社のルール化が必要です。

隣の芝生は青く見えるというのは本当で
「他の運送会社は、勤務時間も少なく、手積みなどの荷作業もなく給料はウチより高いぞ」
といった噂はすぐに広がります。
それで社長に直談判するのはまだマシかもしれません。
噂だけでドライバーが退職するようなケースは
会社だけでなく、退職するドライバーも不幸になるかもしれません。

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