コラム

『同一労働同一賃金』で求められる運送会社の対応②

前回に引き続き同一労働同一賃金の会社対応について解説します。
正社員と正社員以外の待遇差を
・職務の内容(業務内容・責任の程度)
・職務の内容および配置の変更の範囲
・その他の事情
における違いの差で合理的に説明できるかがポイントになります。
具体的には以下の点を検討することになります。

【同一労働同一賃金における『最初の対応ステップ②』】

 ①正社員と正社員以外の   ⇒ [違う]説明できるように準備
     仕事内容や責任の程度  ⇒  [同じ]正社員以外の仕事内容や責任の程度軽減 

 ②正社員と正社員以外      ⇒ [違う]違いを説明できるように準備
 転勤や職務内容の変更の範囲  ⇒ [同じ]正社員の職種や職務の変更について検討

 ③基本給、各種手当、賞与、退職金、休職・休暇福利厚生について見直し

特に、正社員と正社員以外で責任の程度が違う場合は多いのではないでしょうか。
具体的には、部下がいるかどうか、トラブル、緊急時、荷主からのクレーム、誤配時の対応
成果への期待の程度、決裁権限の範囲、時間外労働や休日労働があるかないかなどで違いがあれば
それを説明できるように準備しておきましょう。

「違いを説明できるように準備」とは就業規則や諸規程等において
正社員と正社員以外の定義を明確にしておく他、職務内容や責任の範囲
異動の有無、異動の範囲等について明確に示しておくことになります。
また、下記のような説明書を作成することで、違いを説明することも可能です。

【同一労働同一賃金の『説明書例』(一部抜粋)】
○○ ○○ 様  

あなたと正社員待遇の違いの有無、その内容、理由については、以下のとおりです。
1.比較対象となる正社員 - ドライバー職で勤続年数3年の正社員
2.比較対象となる正社員の選定理由 - 勤続年数は少し違うが、担当荷主や職務内容が近似するため
3.待遇の違いの有無とその内容、理由
(1)基本給の違い  ある
・内容 - 日給ドライバーAは日給7,000円。比較対象となる正社員は日給換算で7,500円
・理由 - ①正社員は荷主からのクレームや誤配時の対応業務があるが、
      日給ドライバーはその対応業務はなく、責任の範囲が異なるため
                ②正社員は緊急時の2便目の配達業務があるが、日給ドライバーはその配達業務がないため

トラック運送業特化社労士 名古屋 清隆[北海道(札幌市)を中心に活動]

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