働き方改革への対応⑩ 36協定の記載事項の見直し


今回は、36協定の記載事項の見直しについてです。
大企業は2019年4月1日より、中小企業は2020年4月1日より
36協定の記載事項が見直され、様式が改正されます。
中小企業は2020年4月1日からの適用となるため
2020年4月1日以後の期間のみの期間を定めた36協定から
新法が適用されることになります。
例えば、2020年1月1日から2020年12月31日までの1年間を
協定期間とした36協定は、2020年4月1日以後の期間のみを定めていないため
旧労働基準法が適用され、旧様式の提出で問題ありません。

36協定締結に必要な主な記載項目は
①労働者の範囲
②対象期間
③時間外労働、休日労働をさせることができる場合
④対象期間における1日、1ヵ月および1年のそれぞれの期間における
時間外労働時間または休日労働日数

⑤時間外労働および休日労働を適正なものとするために
必要な事項として厚生労働省令で定める事項

⑥例外の場合
となります。

⑤について、具体的には以下の点が厚生労働省令で定められる予定です。
(ⅰ)時間外労働の上限の原則(月45時間、年360時間)を超えて労働した労働者に講ずる健康確保措置
(ⅱ)限度時間を超えた労働に係る割増賃金率
(ⅲ)限度時間を超えて労働する場合における手続き
(ⅳ)限度時間を超えて労働する場合に、2ヵ月ないし6ヵ月のそれぞれの期間における時間外労働
および休日労働の1ヵ月当たりの平均時間が80時間以内となるよう定めること

⑥は、臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場について定めることになります。

また、特別条項を設けない一般条項用の様式と、
特別条項を設ける場合の特別条項用の2つの様式があります。
特別条項用の様式には、「限度時間を超えて労働させる場合における手続」
「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置」
を定める項目が設けられています。
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北済協十勝支部労務セミナーの講師を務めました


北海道トラック交通共済協同組合
十勝支部労務セミナーの講師を務めました。

「運送会社の働き方改革への対応等」 というテーマで講演しました。
ご参加いただきありがとうございました。

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働き方改革への対応⑨ 面接指導の強化


今回は、面接指導の強化についてです。
これまでも長時間労働者に対する医師の面接指導制度はありましたが
一定の要件に該当する労働者の申し出を前提としていました。

2019年4月1日より
下記の労働者について、医師による面接指導の実施
を事業主に義務付けました。
①新たな技術、商品または役務の研究開発に係る業務に従事する
労働者で、時間外・休日労働が月当たり100時間を超える者
②特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)
の対象者で、健康管理時間が1週間当たり40時間を超えた場合の
その超えた時間が月100時間を超える者

労働者の申し出による面接指導の実施要件である時間外・休日労働時間数は
「月100時間超」から「月80時間超」に引き下がられる予定です。

働き方改革法のパンフレットを公開しています


厚生労働省が
『「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について』
のホームページのなかで、「時間外労働の上限規制」「年5日の年次有給休暇の確実な取得」
についてのパンフレットを公開しています。

実務上の取扱いが具体的に解説されていて、以下のようなQに対する回答も示されています。

【時間外労働の上限規制】
Q1 施行前と施行後にまたがる期間の36協定を締結している場合には、4月1日開始の協定を締結し直さなければならないのか。
Q2 中小企業は上限規制の適用が1年間猶予されますが、その間の36協定届は従来の様式で届け出てもよいのか。
Q3 上限規制の適用が1年間猶予される中小企業の範囲について、具体的にはどのように判断されるのか。
Q4 中小企業や、上限規制の適用猶予事業・業務へ労働者を派遣する場合は、上限規制の適用はどのようになるか。
Q5 「休日労働を含んで」というのはどういった意味か。休日労働は時間外労働とは別のものなのか。
Q6 時間外労働と休日労働の合計が、2~6か月間のいずれの平均でも月80時間以内とされているが、この2~6か月は、36協定の対象期間となる1年間についてのみ計算すればよいのか。
Q7 長時間労働者に対する医師の面接指導が法律で定められているが、その対象者の要件と、今回の時間外労働の上限規制とは計算方法が異なるのか。
Q8 どのような場合に、法律に違反するのか。
【年5日の年次有給休暇の確実な取得】
Q1 2019年4月より前に10日以上の年次有給休暇を付与している場合には、そのうち5日分について、2019年4月以後に年5日確実に取得させる必要があるのか。
Q2 4月1日に入社した新入社員について、法定どおり入社日から6か月経過後の10月1日に年休を付与するのではなく、入社日に10日以上の年次有給休暇を付与し、以降は年度単位で管理している場合、基準日はいつになるか。
Q3 使用者が年次有給休暇の時季を指定する場合に、半日単位年休とすることは差し支えないか。また、労働者が自ら半日単位の年次有給休暇を取得した場合には、その日数分を使用者が時季を指定すべき年5日の年次有給休暇から控除することができるか。
Q4 パートタイム労働者など、所定労働日数が少ない労働者であって、1年以内に付与される年次有給休暇の日数が10日未満の者について、前年度から繰り越した日数を含めると10日以上となっている場合、年5日確実に取得させる義務の対象となるのか。
Q5 前年度からの繰り越し分の年次有給休暇を取得した場合には、その日数分を使用者が時季を指定すべき年5日の年次有給休暇から控除することができるか。
Q6 法定の年次有給休暇に加えて、会社独自に法定外の有給の特別休暇を設けている場合には、その取得日数を5日から控除することはできるか。
Q7 今回の法改正を契機に、法定休日ではない所定休日を労働日に変更し、当該労働日について、使用者が年次有給休暇として時季指定することはできるか。
Q8 出向者については、出向元、出向先どちらが年5日確実に取得させる義務を負うか。
Q9 年5日の取得ができなかった労働者が1名でもいたら、罰則が科されるのか。
Q10 使用者が年次有給休暇の時季指定をするだけでは足りず、実際に取得させることまで必要なのか。
Q11 年次有給休暇の取得を労働者本人が希望せず、使用者が時季指定を行っても休むことを拒否した場合には、使用者側の責任はどこまで問われるのか。
Q12 使用者が時季指定した日が到来する前に労働者が自ら年次有給休暇を5日取得した場合は、当初使用者が時季指定した日に労働者が年次有給休暇を取得しなくても、法違反にはならないと考えてよいか。
Q13 休職している労働者についても、年5日の年次有給休暇を確実に取得させる必要があるのか。
Q14 年度の途中に育児休業から復帰した労働者等についても、年5日の年次有給休暇を確実に取得させる必要があるのか。
Q15 期間中に契約社員から正社員に転換した場合の取扱いはどうなるか。
Q16 使用者が時季指定した年次有給休暇について、労働者から取得日の変更の申出があった場合には、どのように対応すればよいか。また、年次有給休暇管理簿もその都度修正しなくてはいけないのか。
Q17 管理監督者にも年5日の年次有給休暇を確実に取得させる必要があるのか。
厚生労働省は、このほかにもよくある質問を掲載する予定としています。

  • 厚生労働省 働き方改革法 時間外労働の上限規制 年5日の年次有給休暇の確実な取得 パンフレット
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html
「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf
「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf

高度プロフェッショナル制度についての省令・指針の内容


働き方改革法で2019年4月に導入される
高度プロフェッショナル制度(高プロ)についての省令・指針に盛り込む
内容が労働政策審議会の分科会で了承されました。
対象業務は5業務で、年収用件は1,075万円以上とされ
政府がこれまで示していた内容の通りとなっています。

公表されているポイントは、以下の通りです。
【答申のポイント】
1.「労働基準法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」
高度プロフェッショナル制度の関係規定の整備を行うもの。

(1) 労働基準法施行規則の一部改正
ⅰ 労使委員会の決議を所定様式により所轄労働基準監督署長に届け出るものとするもの。
ⅱ 同意の取得の方法及び職務の合意の方法について、書面に労働者の署名を受け、当該書面の交付を受ける方法とするもの。
ⅲ 対象業務について、次に掲げる業務(当該業務に従事する時間に関し使用者から具体的な指示を受けて行うもの は除く。)とするもの。
イ 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
ロ 資産運用(指図を含む。以下同じ。)の業務又は有価証券の売買その他の取引の業務のうち、投資判断に基づく資産運用の業務、投資判断に基づく資産運用として行う有価証券の売買その他の取引の業務又は投資判断に基づき自己の計算において行う有価証券の売買その他の取引の業務
ハ 有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務
ニ 顧客の事業の運営に関する重要な事項についての調査又は分析及びこれに基づく当該事項に関する考案又は助言の業務
ホ 新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務
ⅳ 年収要件について、1,075万円とするもの。
ⅴ 健康管理時間について、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法で把握するとともに、事業場外において労働した場合であって、やむを得ない理由があるときは、自己申告によることができるものとするもの。
ⅵ 選択的措置について、各措置の具体的な内容を定めるもの。
ⅶ 健康・福祉確保措置について、具体的な内容を定めるもの。
ⅷ その他の決議事項として、決議の有効期間の定め及び当該決議は再度同項の決議をしない限り更新されない旨等を定めるもの。
ⅸ 健康管理時間の状況等を所定様式により決議が行われた日から起算して6箇月以内ごとに、所轄労働基準監督署長に報告するものとするもの。

(2) 労働安全衛生規則の一部改正
ⅰ 高度プロフェッショナル制度の対象業務に従事する労働者(以下「対象労働者」という。)に対する医師による面接指導等に係る事項について、産業医の職務及び産業医に対し情報提供する事項に追加するもの。
ⅱ ⅰの面接指導の要件について、1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間について、1月当たり100時間と定めるもの。
ⅲ ⅰの面接指導の実施方法等について、労働基準法第36条第11項に規定する業務に従事する者(研究開発業務従事者)に対する医師による面接指導の実施方法等に準じて定めるもの。
ⅳ ⅰの面接指導の対象となる労働者以外の対象労働者から申出があった場合に、医師による面接指導を行うよう努めなければならないものとするもの。

2.「労働基準法第41条の2第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針案」
対象労働者の適正な労働条件の確保を図るため、使用者及び労働者並びに労使委員会の委員が留意すべき事項等を定め るもの。

(1) 本人同意の方法等を定めるもの。

(2) 労使委員会が決議する労働基準法第41条の2第1項に掲げる事項について、具体的に明らかにする事項及び留意すべき事項を定めるもの。
ⅰ 対象業務の要件
ⅱ 対象労働者の要件
ⅲ 健康管理時間の把握方法
ⅳ 休日の確保
ⅴ 選択的措置
ⅵ 健康・福祉確保措置
ⅶ 同意の撤回に関する手続
ⅷ 苦情処理措置
ⅸ 不利益取扱いの禁止
ⅹ 決議の有効期間の定め等

(3) 労使委員会の要件等労使委員会に関する事項を定めるもの。
ⅰ 労使委員会の設置に先立つ話合い
ⅱ 労使委員会の運営規程
ⅲ 労使委員会に対する使用者による情報の開示
ⅳ 労使委員会と労働組合等との関係

北済協 札幌支部主催のセミナー講師を務めました


北海道トラック交通共済協同組合
札幌支部 主催の労務安全セミナーの講師を務めました。

「運送会社の働き方改革への対応等」 というテーマで講演しました。
ご参加いただきありがとうございました。

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国交省がトラック運送ガイドライン公表


国土交通省は昨年27日
関係省庁と共同で荷主とトラック運送事業者向けに
「トラック運送サービスを持続的に提供可能とするためのガイドライン」
をまとめ、公表しています。

ガイドラインは、トラック事業者が
「適正な運賃・料金を受け取ることができる環境整備」
を目的に立ち上げた検討会の議論を踏まえまとめたものです。

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コンプライアンスの内容、法令遵守のための取り組み例
行政処分強化の内容等を解説しています。

■ガイドラインのダウンロード(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/001267339.pdf

皆勤手当格差も不合理 ハマキョウレックス控訴審判決


同じ業務内容なのに正社員と契約社員で
賃金や手当が異なるのは違法として
物流大手「ハマキョウレックス」の運転手が
格差の是正を求めた訴訟の差し戻し控訴審判決が
先月21日、大阪高裁でありました。

大阪高裁は皆勤手当の不支給を違法と認め
同社に32ヵ月分の32万円の支払いを命じています。
判決理由で皆勤手当の趣旨を踏まえ
契約社員への不支給は「不合理」と結論。
また同条の施行時までに、正社員と契約社員の諸手当について
「均衡の取れた処遇とするように取り組むべき注意義務違反があった」と指摘しました。

差し戻し前の大阪高裁は2016年7月
無事故手当や給食手当など4種類が契約社員にも支払われるべきだと指摘。
最高裁は2018年6月、大阪高裁判決を支持し、皆勤手当について
支給要件を満たすか検討すべきだとして審理を差し戻していました。

石油元売り2強体制に 


石油元売り大手の出光興産と昭和シェル石油は
経営統合を承認し、4月から新会社を設立。
石油元売りはJXTGホールディングスとの
2強体制になります。

両社は2015年7月に統合方針を発表し
2016年年秋の合併計画でしたが
その後4月の統合に向けすでに調達や人事など
一部の部門で事務所を一体にし経営の合理化を進めています。
出光と昭和シェルの給油所のブランドは
当面並立させ、グループで7ヵ所の製油所も維持します。

元売りの集約でガソリンなどの安売競争の緩和
による収益改善が見込まれます。

働き方改革への対応⑧ 勤務間インターバル制度


今回は、勤務間インターバル制度についてです。
勤務間インターバル制度とは、前日の終業時刻と翌日の始業時刻
との間に一定時間の休息の確保を図る制度のことをいいます。
休息の確保については事業主の責務になります。

今回の法制化においては努力義務にとどまり
法的に制度を設ける義務はありません。

制度導入にあたっては
・勤務終了後、次の勤務開始まで何時間の休息時間とするのか
・決めた休息時間が確保できな場合に始業時刻や勤務時間をどうするのか
等について決めておく必要があります。

また、同様に事業主の責務として
「他の事業主との取引における配慮」として
下請け等を想定し、著しく短い期限の設定や内容の頻繁な変更をしないよう
配慮することにつき、事業主に努力義務を課しています。
荷主、元請け、下請けの多重構造となっている
運送業界にとって今後期待したい部分です。

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